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発病しないための試み。
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多重フレームモデル

脳には機能モジュールが存在することは疑う余地はないが、それらの機能モジュールの詳細がすべてわかったとしても、心のモデルがわかったとは言いがたい。脳の機能モジュールが全体としてどのように働くのかということを明らかにするためには、脳の内部だけではなく身体との相互作用、ヒトの群れ全体を視野に入れた、知のメカニズムをモデル化する必要がある。そのための一歩としては脳の機能の一つ一つに焦点を絞るよりも、脳の大まかなモデルを想定してできるだけ簡単に表すことにより、他のヒトとの相互作用を論じることが賢明と思われる。そこで脳科学者の澤口俊之が提案した脳のモデル、すなわち多重フレームモデルを採用したい。

多重フレームモデルは脳内における機能モデュールの並列性、階層性を実現するための生理学的なモデルであり、次のように定義されている。

1 コラムは数万個の神経細胞を含み、幅0.5〜1ミリ、高さ2〜3ミリの円柱
(ないし直方体)状の形をして、大脳新皮質の表面に対して垂直に並ぶ。

2モジュールはいくつかのコラムが集まったものであり、
 フレームはモジュールが階層的に配列したものである。

3フレームは入力系、出力系と両者を統合する統合系をもつ。

4入力系は視覚野をはじめとした一連の感覚領野群、
 出力系は運動領野群、統合系は連合野の領野群により形成される。

5答フレームはさらに小さな「サブフレーム」に分けられ、
 そのどれもが同じような構造をもつ。つまり、入れ子構造となる。

6サブフレームはさらに「サブサブフレーム」に分けられ、
 いいかえれば、どの拡大卒でも同様の「フレーム構造」がみえる。

 ワーキングメモリのところで示したフスターの仮説も階層構造を示しているが、前頭連合野を頂点としているため意識的で高次な行動のみに限定される。澤口のモデルは意識のみではなく、身体運動を伴う無意識的な活動や、身体運動を伴わない意識的な活動などのすべての知の活動に応用できる汎用性がある。ここで記憶に留めておいてほしいことは、多重フレームモデルによれば、脳という身体の部位において外界の環境から得られる情報を感知し、統合し、制御する機能が局在し、それらが並列階層構造をもっということである。多重フレームモデルは後に述べる暗黙知理論を実現するための脳神経科学的な基盤となりうる。暗黙知理論はさらにその後に述べるミーム論を基礎づける。
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