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発病しないための試み。
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フランク・ステラに関して、別のブログにコメント頂いたので、気を良くしてもう少し書いてみる。
あのブラックには、向こう側があるように見えたと言ったが、そこにはなにかが存在するように見えた。それは、あのばあい違う絵だったのだが、何がみえたかという事よりも、その見え方が興味深かった。まるで、自分の心を写す鏡のように思えたからだ。もちろんブラックという色そのものが、我々に対して一種の感覚遮断状態を引き起こす事で幻影なりを見せる可能性は充分考慮に入れながらも、しかしあの場合はあの白のストライプがなぜかそこでも威力を発揮しているように思える。ストライプがある事でそれが前に出て来て地のブラックが奥に引き込む、つまりブラックがストライプの後ろに回っているかのように感じてしまうことで、さらにそれが闇へと空間へと見えてしまうからだ。面白い。そういった事どもが、あの作品に厳かさや謎めいた奥行きを感じさせるのだろう。
前回、人間の視覚構造を利用したものだと思う、と書いたが、多分フランク・ステラ自身はそれをそんな風に計算ずくで制作したのではないように思う。もしそうであったら、計算ずくでもっと多様な表現があっても良いと思われるからだ。ブラックシリーズや、ストライプに固執し過ぎるように思える。多分偶然に発見したのではないだろうか。
あの展覧会には、他にも(私的)見どころはたくさんあった。
まず、ピカソの(分析的)キュビズムの作品があった。私はキュビズムから抽象画そして現代美術に入ったので(これは正道だと私は思っている)、その善し悪しはすこぶる良くわかる。さすが大師匠、脱帽という気分だった。
デュシャンは、そのキュビズムに次ぐ革新性には憧れを持っていたので、まさにそのような気持ちで魅入ってしまった。クレーは残念ながら作品が小さいのもあり、人だかりであまり良く視る事が出来なかったが、今イチだったように思う。カンデンスキーのは、あまり抽象性の高くないものだった。つづくタトリン、モホリ-ナギは、一時ロシア構成主義にも惹かれている時期があったので、視れてうれしいの一語だ。ボッチョーニ、モランディもよかった。
次のジョセフ・コーネルは最近知り合った画家のO女史(私は彼女のファンだ)が好きだというので、興味深く拝見させてもらった。箱庭療法にも通ずるものだろうか、その繊細さに優しいもの感じさせる。とても癒されるような、懐かしいような気分に浸らされる。そういえば、子供のころミニチュアで遊んだ事にも通ずるものを感じる。
そして、次はジャコメッティだ。このブログでもふれたように、ジャコメッティには空間変容が感じられるはずだ。よくある、胸像や全身像ではなく変容はさほどでもなかったが、相変わらずだなという感じだった。(笑)
フォンタナの空間概念は例のキャンバスを切り裂いた物でないほうの、画面中央がめくれるように穴があいている方をみて、なるほどと思ってしまった。
マーク・ロスコ、自然にいい感じで、好きですな。日本人の感性にはなじみやすのでは。
あとは、前回書いた通り。
ゲルハルト・リヒターも初めて実物をみた。う〜ん。感動するほどのものはみつけられなかった。
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